2026/08/22 07:31
手にとると、作り手の温かい気持ちが素直に伝わってくる「もの」。そんな魅力的な作品と出会えると、日々の暮らしが少し豊かに、そして愛おしく思えますよね。
今回の「つくりびとを訪ねて」では、自然素材を使った素敵なクラフトを手がけるatelier cocon(アトリエ ココン)の麻生 紀巳子(あそう きみこ)さんをお訪ねしました。

ギラギラと太陽が照りつける夏の日に訪れたのは、広島市中区大手町にあるビルの1室。 都会の雑踏から切り離された扉を開けると、そこには洗練されたかごバッグをはじめ、トレイやアクセサリーなどが美しく飾られた小さな空間が広がっていました。
野山の風を吸い込んだようなアケビの蔓(つる)や、インドネシアの紅籐(べにとう)といった天然素材の作品たち。強い光を浴びるほど濃い影を落とし、不思議と涼やかな佇まいを見せてくれます。手に取ると、まるで森の木陰にいるような心地よさが伝わってきます。
「夢中になって、気づけば14〜15年」
麻生さんがかご編みをはじめたきっかけは、子ども造形教室で行われていたかご編み教室だったそう。
「出来上がったら友達にあげて、またつくって。そんなことを繰り返していたら、いつの間にか夢中になっていました。かれこれ14〜15年ほどでしょうか。マルシェなどに出店したり、ここで講座も開いていますが、先生とかそんなイメージではなくて、みんなと一緒に一緒につくっている感じです(笑)」
そう笑顔で語る麻生さん。作品作りや講座を通じて、作る楽しさをたくさんの人と分かち合われています。
一本の蔓から生まれる「静かな熱」
取材中、オーバル型のトレイづくりを実践して見せていただきました。
素材は作るものによって使い分けているそうで、トレイに使われる堅くてしっかりとした籐は、一度水に浸して柔らかくしてから編み込んでいきます。 慣れた手つきで曲げたり、締めたり、形を整えたり……。力も技術も必要な工程ですが、一つひとつの素材と向き合いながら黙々と手を動かす姿がとても印象的でした。
一本の無骨な蔓が、手仕事によって美しく新しい形へと生まれ変わっていく様子。完成した作品の奥には、目には見えない作り手の「静かな熱」が満ちていることを実感します。
季節をともに生きる「相棒」を探しに
atelier coconでは、夏にぴったりの涼やかなラタンアクセサリーやバッグだけでなく、冬にはファーをあしらったかごバッグなど、四季折々の暮らしに寄り添うアイテムを生み出されています。また、焼き立てパンの粗熱取りにあけびのトレイを使うなど、日常での素敵な使い方・楽しみ方も教えていただきました。
あなたも暮らしを優しく彩る、世界にひとつだけの「相棒」を探しに出かけてみませんか?
続きは誌面で・・・
